コミュニケーションが円滑になる言葉遣いのコツ

看護師とは、医療関係者、患者やその家族など、幅広くコミュニケーションを取る機会が多い仕事です。コミュニケーションを通じて連携を図ったり、信頼関係を築き上げていくわけですが、そこで重要な役割を果たすのが言葉遣いでしょう。コミュニケーションをより円滑にする言葉遣いのコツをいくつか紹介していきます。

1つ目は、「させていただく」の使い方です。丁寧な表現ですが、実は不適切な使われ方も多く、相手に違和感を与えかねません。たとえば、患者に病院に関して説明をするときに、「私が説明させていただきます」と言う場合です。

本来、「させていただく」とは、「相手に許可を求めるとき」と「自分に何かしらの恩恵があるとき」の両方を満たす際に使うものです。患者にとって必要なことを説明するのに「許可」を取るのは変ですし、自分に「恩恵」はありません。「私が説明いたします」が適切な言い回しとなります。

「させていただく」が正しいのは、上司に対して「明日休暇を取らせていただきます」と伝えるようなケースです。

2つ目は、「禁止表現を多用しない」ように工夫することです。症状の悪化を防ぐために「〇〇してはいけません」のような禁止表現を患者に対して使うこともあるでしょう。ただ、多用すると冷たくてきつい印象を相手に植え付けることも少なくありません。

本当に重要な場面以外では、禁止表現を肯定表現に言い換えるのも効果的です。「歩き回ってはいけません」ではなく、「安静にしているといいですよ」といった具合です。柔らかい表現を使っていると患者から話しかけてもらいやすくなりますし、そうなると信頼関係を築き上げるスピードも速くなっていくでしょう。